さよなら!僕らのソニー

レビュー

さよなら! 僕らのソニー (文春新書)

さよなら! 僕らのソニー (文春新書)


ソニー信者のソニーへの決別電報。


如何にしてソニーが台頭し、勢力を広げ、そしてストリンガー体制のもとで衰退していっているかがつぶさに書かれており、ソニーファンや元ソニー好きなら一読の価値ありの一冊です。
特に後半のストリンガー体制への批判はキョーレツ。
バッテリー発火事件、SCEの個人情報流出事件での批判は「ああ、この人は本当にソニーが好きだったんだな」と思わせます。


この本でも触れられていますが、二番手じゃ二番以下にしかなれない。というのがよく分かります。
二番手って後追いだから楽だけれど、相手を追い抜くことが難しいんですよね。
ソニーのリーダーもタブレット端末も頑張ってはいますが、
どれも売れ行きがイマイチなのはストリンガー体制で培われた企業体質もあるのでしょう。


PSVitaのタッチパネルもDSやスマートフォンの後追いですし、
これからはソニーから革新的な製品が出る、ってことはないのでしょうね。
ソニーの商品が後追いという安牌ばかりで魅力の薄いモノばっかりなのは、グローバル化していく世界の中で生きていくためには仕方ないのかも知れません。
増える借金、増える赤字、外部に流出していく人材。
まさに負の連鎖。
ヘッドホンとイヤホンを愛用している身としては、哀しい気持ちになりますね…